富ノ澤麟太郎の事

富ノ澤については資料が多くはありませんので、分かるところは分かる、分からないところは分からないという一応の区別があります。ですから今後目覚ましい発見でもない限りこれといった進展も無く、そういった意味では詰まらない作家だともいえましょうが、ここで覚え書き代わりに取り敢えずネット上の情報の整理をしておきたいと思います。私の存じ上げぬところの文献がありましたら、ぜひご教示ください。

 

http://www.aozora.gr.jp/cards/000282/card1714.html

富ノ澤の代表作「あめんちあ」、これは青空文庫で読むことが出来ます。

 

http://747seconds.nobody.jp/index.html

略歴、文献紹介のほか「一世」を読むことが出来ます。なお以前にも指摘しましたが、「一世」は『文芸時代』ではなく『文芸日本』の掲載です。確か沙羅書店版「富ノ澤麟太郎集」の時点から既に誤記があったように記憶しておりますが、ここでも再度その旨記しておきます。

 

http://www.fukuoka-edu.ac.jp/~itasaka/hato/serenade.html

よくわからないのですが、検索していたところ見つかりました。「セレナアド」があります。

 

http://sichsorne.hatenablog.com/entry/2014/05/24/222300

http://sichsorne.hatenablog.com/entry/2014/05/24/223849

当ブログで手前味噌のこと御免被りますが、富ノ澤が『文章往来』に発表した短文二つです。二月の「ある日記」が富ノ澤麟太郎の筆名で発表されているのに対し翌三月の「雑記帳から」が本名富澤麟太郎名義であること、富ノ澤が病気で生死の境を彷徨っており尚且つ東京から遠く旅先にあった時期に発表されたこと、等々疑問の少なくないものですが、なかなかに興味深い文献です。なお「ある日記」の登場人物詩人N氏とは中井繁一、先生とは佐藤春夫のことを指すものと見て間違いないでしょう。ちなみにこの文献はカトウジンさんに教えていただいたものです。カトウさんありがとうございます。